STORY #7
【最果てに灯る宿】第6章 ウエディングとの出会い
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Vol.4
ウエディングとの出会い

コロナ禍で日常が大きく制限される中、思いがけない転機が訪れた。ある日、古い友人の愛ちゃんから連絡があった。花屋を営んでいることは知っていたが、ウエディングに特化したラインを持っていることは、そのとき初めて知った。
「浜比嘉にいる? ちょっと寄りたいな」
久しぶりの再会。お互いの近況を話すうちに、彼女は語った。コロナ禍で大きなホテルの結婚式が軒並みキャンセルになり、県外のプランナー仲間も海外の案件も、ほとんどが止まってしまっていると。
「ここからだよ。タナさん、海外で予定していたカップルたちをここに送ってみない? 少人数なら動けるはずだから」
その提案を聞いた瞬間、心が大きく揺れた。転機は本当にすぐそばにある。そして、それに気づけるか、やるかやらないか——私たち夫婦はいつも即決派だった。
「愛ちゃん、やろう! 何も分からないけど、ゼロから教えてね」
こうして始まったのが、413とウエディングとの出会いだった。
ほどなくして、東京から二組のプランナーが視察に訪れた。島に足を踏み入れるなり、彼女たちは目を見開いて言った。
「え? 写真で見るより全然すごいですね。海外組にも絶対アピールできますよ、これは!」

潮風に吹かれながら芝生を歩く彼女たちの足取りは軽く、次々にカメラを構え、景色を確かめていく。眼前に広がるのは西を向いた海。夕暮れに近づくにつれて、空はオレンジから紫へと変わり、背後の丘は深い影を落とす。鳥の声、潮の匂い、ゆるやかに流れる時間。
「なぜここがまだ知られていないんですか?」
プランナーの言葉は、まるで問いかけではなく答えそのもののように響いた。大きなホテルでの豪華な挙式とは異なる、小さくても温かく、自然に寄り添った結婚式。親しい人たちだけが集まり、潮騒をBGMに、焚き火や星空を共有する——浜比嘉島だからこそ実現できる挙式の姿が、確かにここにあった。


WRITER
シーサー・ハマSeaser Hama
413hamahiga hotel&cafeの物語を担当する守神
シーサー浜と申します。
どうぞお見知りおきを。





